2015年02月02日

日本の住宅政策は「パンドラの箱」全開らしい

日本人はどう死ぬべきか?
養老 孟司
日経BP社
2014-12-11

前回ご紹介したこちらの本ですが、隈さんが海外の住宅事情について触れている箇所がありました。

なかなか海外の住宅事情や政策を知る機会が少ないので、書籍を通じてでもうかがい知ると、やはり日本の政策は後先考えてないんだなぁとわかります。


めちゃくちゃと言えば中国ですが、その極端な土地政策は、逆説的に僕らの参考になります。

一つは都市戸籍と農村戸籍を厳密に分けて、人を都市に間単に流入させないようにしていること。

もう一つは、土地の個人私有を認めていないことです。

中国で新興住宅街がものすごい勢いで造成されているというニュースをご覧になっているかもしれませんが、あれは企業が開発を行った土地に建売住宅郡やマンションを作り、所有権の分譲を行っているのです。

中国の所有権とは、土地ではなく「上物」の権利のことで、中国人はそれを一種の私有権と受け取っています。

日本の一戸建てのように、個人が自分でデザインして家を建てるということは、中国の仕組みではありません。

もちろんこられの政策が優れているかとか、国民のためなっているとかとについては、まったく別の話です。

ただ中国では、家を建てることができるのは企業であり、庶民にとって不動産の自由、つまり住む場所の自由は、いまだに与えられていない。


土地の利用が許可制だということは、それによって、役人に大きな利益が発生するということで、中国ではそのようにして役人の権威と役得を守り、ひいては国家体制の維持に結び付けているのです。

土地の所有については、国によってさまざまなシステムのまわし方があります。

例えばイギリスでは土地の私有ができますが、価値の高い土地を広く所有しているのは、女王をはじめ王族や貴族の人たちです。

オランダでは、基本的には国が公共住宅を建てて、それを安い家賃で貸すというシステムをすっと続けていました。


ところが最近になって、ついに企業がマンションを作らせて、それを分譲してもいいというシステムに変わりました。

庶民に土地や家の所有を許す政策は、ある意味で「パンドラの箱」です。

国家がいよいよ困り、財政破綻が見えて、最後の手段として、その「パンドラの箱」を開けたのです。

「パンドラの箱」は、一度開けてしまうと、もう後戻りはできないところに恐ろしさがあります。

しかし日本は、その「パンドラの箱」を、戦後すぐに、その危険を顧みることなく開けました。

箱を開けただけでなく、扇状地だろうが崖地だろうが川沿いであろうが、家を建てたい業者がいえればどんどん許可して、宅地事業で経済を回していきました。


その成果が高度経済成長です。

一方で、そのツケが百年も経たない今、「空き家問題」として僕たちの目の前に具現化しているのです。

いわゆる住宅ローンというものを、世界で初めて運用した国はアメリカです。

第一次大戦後の住宅不足の時に、国民の共産化を防ぐという名分で、国家の住宅局が編み出したのが住宅ローンでした。

家で縛り付ければ、国民は保守化して国家に対して不満を言い出さない、という強い動機が背景にあったのです。


そして、それを第二次大戦後、一番優等生的に模倣し、推進したのが日本でした。



住宅ローンもいまや特別なものでもないですが、世界的に見るとそうでもないのかな?? 

もっと海外の住宅事情知りたいですねぇ。

この本は他にもシリーズがあるようなので、そちらも読んでみようっと。


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この記事へのコメント

1. Posted by 元単身赴任のYH   2015年02月07日 20:10
こんばんは。

各国の住宅政策、面白いですね!

日本人は土地を大切に思っていますよね。でも世界では、土地に対してそんなに執着していないのかな〜と興味深く読んでおりました。
面白い話ですね!
2. Posted by ビルダーナース   2015年02月09日 22:07
>元単身赴任のYHさんへ

そうなんですよ。
日本人は土地に執着する傾向が強いですし、土地と建物は別々の課税。
世界が全部同じようなシステムではないんですよね。

そういうことを多くの人が知れば、所有ではなく住まい方へをもっと考えてくれるかなぁと思うのですが・・・

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ビルダーナースです
アラフォー女子。
A型。かに座。7月11日生まれ。
千葉市花見川区育ち。千葉→東京→千葉→名古屋→広島と移動し、現在は広島市在住。双子の片割れ(兄)がいます。

趣味は家事、映画、読書、散歩、人間観察。


技術屋で建築家の社長と2人で地場ビルダーを立ち上げた経験あり。


立ち上げ当初は業績も順調でしたが、3年目に大きな壁にぶつかりました。

この時、技術力やデザイン力だけではなく、PRやマーケティングを真剣に考えるようになりました。そこで主にHPで集客するスベを身に着け、金なし、地縁なし、営業マンなしで、なんとか受注できるようになりました。


得意なことは集客デザイン。そのためのHP制作やチラシ・カタログ・パンフレットの企画、制作・マーケティング施策の企画。コーチングを通してその施策を継続できるようサポートすること。


現在は工務店・ビルダー・職人・設計士さんのコンサルティングやコーチング、執筆活動などを通じて地場でがんばる方々を実務面とスピリチュアルな面から支援しています。


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