2008年04月05日
手ごたえを求め始める消費者像
「日本人が思い描く幸福な生活モデルが変わってきた」
博報堂生活総合研究所の「変化欲求調査」で「手ごたえ欲求」を求める5つの特性を持つそんな消費者像が導き出されたそうです。
まず欲求そのものについて以下の3つが発見され、手ごたえを求める消費が市場を変えていくようになると予測しています。
1、根の欲
自分の存在を確かめ、能力を耕し、人と深くつながりたい
2、手の欲
手を動かし、手間暇をかけ、手触りを感じたい
3、果の欲
創造の果実、関係の果実、挑戦の果実が欲しい
そして手ごたえ行動の消費者像として5つを挙げています。
1、育の消費
関わりを育てるプロセスが手ごたえになる
2、五体消費
動き・触り・感じる体得が手ごたえになる
3、ツインリアル消費
現実とネット世界の連動が手ごたえになる
4、重力消費
ヒト・モノ・コトの重みが手ごたえになる
5、逆境消費
乗り越えるハードルが手ごたえになる
短期的なものの見方、効率や生産性を追い求める風潮が長らく続いてきましたが、こうした調査結果からも明らかに人々の感性はその逆に向かっているようですね。
極端な片方に振られ過ぎた軸が、バランスを取ろうと反対の軸に大きく振られている。
そんな印象を受けた調査結果でした。
まだ着地点は見出されず市場も消費者も混迷気味の現在に思えますが、やがて効率や生産性と手間暇かけるじっくりしたペースとのバランスを図るよう、大きく時代の感性は変化していくだろうと私は思います。
ビルダーさんも、短期的に受注棟数を獲得するような方策は、もう市場と乖離しつつあることを認識された方が良いでしょう。
手ごたえを求める消費者の感性は、急かされるような家づくりを求めないでしょうから。
家づくりは本来、調査結果に挙げられたようなプロセス・体得・連動・重み・ハードルが盛り込まれた過程を経て出来あがっていくものだと思います。
今までそこを大事にされていたビルダーさんは、やっとまともな時代が来たと喜んでおられるでしょう。
でもそうでないビルダーさんの方が圧倒的に多いですから、そういうところはこれからますます大変でしょうね。
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この記事へのコメント
と共に、自分が「大切」に思っていた部分が間違っていなかったのだと安心しました。
>そうでないビルダーさんの方が圧倒的に多いですから
以前のように客観的な角度から、この業界を見れなくなってしまい、またVCや取り巻きの人たちの意見を聞いていると、「自分の考えは間違っているのか」と混乱して、自分を見失ってしまいますから。
でも、まだ理解者はほとんどいませんが。
感性の軸は大きく変化し始めていますから、敏感な人は「なんか違う」と思ってるはす。この業界は鈍感派が多数ですのでまだまだ認知されていませんが・・・。
周辺の人に惑わされず、未来を見据えて私たちは歩みましょうネ。
鈍感な人たちが気づいた頃には、私たちは遥か遠くへ行けているかな。
そう想像すると楽しいですね。
なるほど…と思うことが
たくさんありました…。
消費の傾向やお客様のニーズも
いままでの法則では説明しきれないものが
増えてきています。
なので、
今日のこの記事はすごく
腑に落ちることが多くて
すごく参考になりました。
特に3つの欲求は、
今日本で売れているものを
分析すると当てはまるものが
非常に多いですね!
素敵な気づき本当に
ありがとうございました!
応援ぽちっと!
応援ぽちッ、ありがとうございます。
今までカテゴリー化してきたようなくくりで人は動かなくなってきているとよくわかる調査結果ですよね。
内面からの充実を味わいたいと、本来の欲求が多くの人から湧き出ているようにも見えます。
それがハッピーになる秘訣だと思うので、このまま世の中そういう方向にむかってほしいなぁ。